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抗菌薬と薬剤耐性菌



抗菌薬が治療に有効と考えられる疾患として最も適しているのはどれか。
正答: スピロヘータ菌による梅毒

梅毒はらせん菌のスピロヘータ(学名:Treponema pallidum)が原因で生じる細菌感染症であり、治療にはペニシリン系抗菌薬が使用されます。

他の選択肢は細菌感染症ではないため、抗菌薬は第一選択薬にはなりません。※ただし、合併症を防ぐために使用される場合はあります。


作用機序と抗菌薬の系統の組み合わせが正しいのはどれか。


アミノグリコシド系 ― タンパク合成阻害

グリコペプチド系 ― 細胞壁合成阻害

テトラサイクリン系 ― タンパク合成阻害(正解)

βラクタム系 ― 細胞壁合成阻害

キノロン系 ― 核酸(DNA)合成阻害

以下の抗菌薬のうち、細胞壁合成阻害薬はどれか。

アミカシン:アミノグリコシド系、タンパク合成阻害薬
イミペネムβラクタム系のカルバペネム系、細胞壁合成阻害薬
コリスチン:細胞膜傷害薬
ミノサイクリン:テトラサイクリン系、タンパク合成阻害薬
シプロフロキサシン:フルオロキノロン系、DNA合成阻害薬
※下線部分には名前に法則性があります


ESBL(基質拡張型βラクタマーゼ)産生大腸菌に対して有効だと考えられる抗菌薬を選べ。
正答: イミペネム

ESBL(基質拡張型βラクタマーゼ)産生大腸菌が産生するESBLは、βラクタム系抗菌薬のうちペニシリン系とセファロスポリン系を加水分解して不活化する酵素です。そのため、ペニシリン系とセファロスポリン系は無効であると予想されます。

イミペネム:βラクタム系のカルバペネム系はペニシリン系やセファロスポリン系よりも強力や抗菌活性をもつため、ESBL産生大腸菌に対しても有効です。
セフォタキシム: βラクタム系のセファロスポリン系(第3世代)
アモキシシリン: βラクタム系のペニシリン系
カルベニシリン: βラクタム系のペニシリン系
メチシリン: βラクタム系のペニシリン系


薬剤耐性の形質が細菌の間で拡散していく際に寄与する因子として適切なものはどれか。

正答: プラスミドDNA


プラスミドDNAは可動性の遺伝因子で、細菌細胞から別の細菌細胞へと水平伝播します。薬剤耐性の形質のうち、ESBL産生能やカルバペネパーゼ産生能はプラスミドDNAにコードされている場合が多く、このことが薬剤耐性菌の拡散に寄与していると考えられています。
また、プラスミドDNAは異なる菌種にも水平伝播するため、VRE(バンコマイシン耐性腸球菌)のバンコマイシン耐性遺伝子がMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)に伝達し、超多剤耐性の黄色ブドウ球菌が出現することなどが危惧されています。

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