糖脂質(とうししつ、Glycolipid)は、糖を結合した脂質である。エネルギーを供給したり、細胞認識の標識として働く。
糖脂質は細胞膜の表面でリン脂質と結合した状態で存在し、全ての真核生物の細胞膜表面で見られる。脂質二重膜内部から膜表面へ突き出すように存在し、特定の化合物の認識サイトとして働いている。この働きによって細胞膜が安定し、別の細胞と結合して組織を形成するのに役立っている。なお、糖脂質は、細胞膜の二重層のうち外側にしか存在しない。これは、細胞膜の形成時に糖を付加する酵素がゴルジ体の内部にしか存在しないこと、糖脂質を外層から内層に輸送するフリッパーゼが存在しないことによる。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B3%96%E8%84%82%E8%B3%AA
生体膜は、リン脂質以外にコレステロールと糖脂質を含んでいる。コレステロールは細胞膜の外側の層にも細胞質側の層にも存在するが、糖脂質は外側にのみ存在する。
コレステロールの水酸基は、膜の外でリン脂質やスフィンゴ脂質の親水性頭部と相互作用している。一方、ステロール環とC17位に付いた炭化水素鎖は、リン脂質やスフィンゴ脂質の疎水性脂肪酸鎖と一緒に、膜の内部に埋まっている。このように、他の膜脂質と密着することにより、コレステロールは生体膜の流動性を調節し、水素イオンやナトリウムイオンなどの膜透過性を低下させている(バリア機能)。このため、生体膜中のコレステロールが不足すると、膜電位を保てなくなる。
糖脂質には、セラミドに糖鎖が付加したスフィンゴ糖脂質と、アルキルアシルグリセロールに糖鎖が付加したグリセロ糖脂質がある。グリセロ糖脂質は精子形成細胞と脳にのみ存在する。糖脂質は糖鎖構造が多様で、シアル酸をもつ糖脂質はガングリオシドと総称される。糖鎖部分に硫酸基の付いたものはスルファチドと呼ばれる。
糖脂質は、糖鎖構造によりグロボ系、ガングリオ系、ラクト系に分類される。発現する糖脂質の種類は、組織や細胞によって異なる。例えば、神経細胞にはガングリオ系のガングリオシドが多い。ミエリン鞘にはガラクトシルセラミドとスルファチドが大量に含まれる。
従来、リン脂質と糖脂質は親水性頭部の構造の違いにより分類されてきたが、近年、リン脂質と糖脂質の脂質部分の違いによる分子多様性が注目されている。これは、質量分析技術の進歩により、特定の組織あるいは特定の部位に存在するこれら膜脂質の分子種の違いを明確に示すことが可能となったからである。
脂質部分は、de novo合成経路でいったん同じ脂肪酸が付加された後、リモデリング合成経路で加工・交換が行われ、多様な構造が生まれる。このプロセシングのしかたは糖鎖の生合成と似ている。
http://www.kochi-ms.ac.jp/~ff_bichm/home01.htm
生体膜は、リン脂質を基本成分とする油の膜(膜脂質)から成り、そこに膜タンパク質が挿入されて出来ている。膜脂質や膜タンパク質には糖鎖が付いているものがあり、それぞれ 糖脂質、 糖タンパク質と呼ばれる。生体膜は流動的で、膜タンパク質は生体膜上をダイナミックに移動する。しかし、けっして生体膜はランダムで均一な構造体ではなく、ところどころに分子の集合体をつくる。つまり、秩序が生じる。このように分子が集まった微小領域を 膜マイクロドメインという。この膜マイクロドメインを介して膜の内外の情報伝達が行われるので、生体にとってとても重要な場である。
http://www.kochi-ms.ac.jp/~ff_bichm/home01.htm
糖タンパク質(とうたんぱくしつ、英: glycoprotein)とは、タンパク質を構成するアミノ酸の一部に糖鎖が結合したものである。動物においては、細胞表面や細胞外に分泌されているタンパク質のほとんどが糖タンパク質であるといわれている。
タンパク質のアミノ酸の修飾では、アスパラギンに結合したもの(N結合型)とセリンやスレオニンに結合したもの(O結合型、ムチン型)の2種類が頻繁に観察される。
糖タンパク質に結合している糖鎖を成す糖の種類はそれほど多くなく、よく見られるものはグルコース、ガラクトース、マンノース、フコース、N-アセチルグルコサミン、N-アセチルガラクトサミン、N-アセチルノイラミン酸、キシロースなど7~8種程度である。構造様式もある程度限られており、その中のわずかな構造の違いが識別され、精密に認識されて様々な生命現象が制御されている。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B3%96%E3%82%BF%E3%83%B3%E3%83%91%E3%82%AF%E8%B3%AA
この記事へのコメント