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単純拡散 (Simple Diffusion)・浸透 (Osmosis)


受動輸送(Passive Transport)とは物質の濃度差を駆動力とする膜輸送である。輸送方向は濃度勾配に逆らわず、輸送に際してアデノシン三リン酸(ATP)から供給されるエネルギーを必要としないのが特徴である。また、輸送速度は濃度勾配に比例する。受動輸送は単純拡散(受動拡散)、促進拡散、ろ過及び浸透の4つの形式に分類される。

単純拡散(受動拡散)
拡散は物質が高濃度に集積する場所から低濃度な場所へと自発的に移動する現象である。ここでいう物質とは分子やイオンなどのことであり、様々なものがあてはまる。これらの物質は常温において絶えず運動をしており、物質は高濃度側及び低濃度側を行き交っている。この運動により物質の濃度差が中和される。この現象を単純拡散 (Simple Diffusion)、または受動拡散という。この拡散によって乱雑さを示すエントロピーは増大し、ギブスエネルギーは減少するため系全体として安定化する。単純拡散の輸送速度はフィックの法則により導かれる。輸送体を介さない輸送方法であるため、物質が高濃度になっても輸送速度には影響が認められない。

浸透
生体膜は水分子などの低分子は自由に透過できるが蛋白質などの高分子量物質は透過不能である。細胞内外の溶質の濃度差により水の移動が生じ、この現象を浸透 (Osmosis) と呼ぶ。水の生体膜浸透により細胞内外の浸透圧は一定に保たれているが、何らかの要因によって浸透圧が変化することがある。基本的に水分子は浸透圧が低い方から高い方へと移動するため、高張溶液中では水分子が細胞外へ移動する。植物細胞では原形質分離が生じる。一方、浸透圧が低くなると水分子が細胞内へ移動するため動物細胞においては細胞破裂を生じる。生理食塩水などの等張溶液中では細胞内外を移動する水の量が等しいため細胞は見かけ上変化が見られない。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8F%97%E5%8B%95%E8%BC%B8%E9%80%81


単純拡散

POINT単純拡散の特徴

・濃度勾配に従う

・ATPを消費しない

・透過速度はFickの拡散式に従う

・脂溶性が大きい程透過しやすい

・分子サイズが小さい程透過しやすい

・共存物質の影響を受けない

単純拡散では、透過速度は濃度勾配(濃度差)に比例する。つまり、薬物濃度が高ければその分透過速度も大きくなり、薬物濃度が低ければ透過速度も小さくなるわけである。また、(下に書いてある能動拡散とは異なり)単純拡散はエネルギー(ATP)を使わずに行なわれ、脂溶性が高い程、分子量が小さいほど透過速度は大きくなる。


単純拡散の速度はFickの拡散式という式を用いて表すことができる。
式中に出てくる分配係数は、(脂溶性/水溶性)で表すことができ、ここからも脂溶性が高い(その結果分配係数が大きい)方が膜透過速度が大きくなることが理解できる。
また、ΔδとAについてであるが、Δδは膜の厚さを表しており、これが大きいと当然膜を透過するまでの時間が長くなるので透過速度は小さくなる。Aは膜の表面積を表していおり、これが大きいと一気に多くの薬物を透過させることが出来るため膜透過速度は大きくなる。

simple diffusion
膜をはさむ両側の物質の濃度に差が存在するとき,その化学ポテンシャルの勾配に従って物質が移動すること。薬物の吸収など膜透過の多くがこの輸送による。特徴として,細胞のエネルギー代謝に依存せず,物質間に相互作用がない場合,共存する物質により影響されない。

生体膜透過の際には,生体膜が親油性であるため,生体膜への分配が高い物質では透過速度が大きいが,親水性の高い物質は生体膜へ分配しにくいため,ほとんど透過しない。また,膜中では分子量が小さい物質ほど拡散が速く,透過しやすい。生体膜と相互作用のあるものは,親油性や分子量から予想されるよりも透過が遅くなることがある。
https://www.pharm.or.jp/dictionary/wiki.cgi?%E5%8D%98%E7%B4%94%E6%8B%A1%E6%95%A3

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