補欠分子族(ほけつぶんしぞく、Prosthetic group)は、タンパク質の生物活性において重要なタンパク質に結合する非タンパク質(非アミノ酸)要素である[1]。補欠分子族は有機物(ビタミン、糖、脂質など)または無機物(金属イオンなど)であることがあり得る。補欠分子族はタンパク質にかたく繋がれており、共有結合を通して結合される。補欠分子族は酵素反応において重要な役割を持つ。補欠分子族が無いタンパク質はアポタンパク質と呼ばれるのに対し、補欠分子族がついているそれはホロタンパク質と呼ぶ。
補欠分子族は補因子の1つで、一時的に酵素と結合するのではなく永久的に酵素と結合しているという点で補酵素とは異なる[2]。酵素では、補欠分子族はいくつかの経路においてその活性部位に関係している。
ヘモグロビンのヘムは補欠分子族の一つである。さらに、有機物の補欠分子族にはチアミン(ビタミンB1)、チアミンピロリン酸、ピリドキサールリン酸そしてビオチンなどのビタミン誘導体がある。よって、補欠分子族はしばしばビタミンであるか、ビタミンから作られる。これが、ビタミンがヒトの食事に必要な理由の一つである。
無機物の補欠分子族は通常は鉄(チトクロムcオキシダーゼ、ヘモグロビンなどのヘム)、亜鉛(炭酸脱水酵素など)、マグネシウム(いくつかのキナーゼなど)、モリブデン(硝酸還元酵素など)のような遷移金属イオンである。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A3%9C%E6%AC%A0%E5%88%86%E5%AD%90%E6%97%8F
生化学の分野において、補因子(ほいんし cofactor)は、酵素の触媒活性に必要なタンパク質以外の化学物質である。[1]
補因子は「補助分子、またはイオン」であると考えられ、生化学的な変化を助けている。ただし、水や豊富に存在するイオンなどは補因子とはみなされない。それは、普遍的に存在し制限されることが滅多にないためである。この語句を無機分子に限って用いている資料もある[2][3]。
補因子は2つのグループに大別できる。1つは補酵素(ほこうそ、coenzyme)で、タンパク質以外の有機分子であり、官能基を酵素間で輸送する。これらの分子は酵素とゆるく結合し、酵素反応の通常の段階では解離される。一方、補欠分子族(ほけつぶんしぞく、prosthetic group)はタンパク質の一部を構成しており、常時結合しているものである。
金属イオンは一般に補因子である。これらの補因子の研究は生物無機化学の領域に入る。栄養学における、必須な微量元素の補因子としての機能を下の表に示す。ヒトでは一般に鉄、マンガン、コバルト、銅、亜鉛、セレン、そしてモリブデンがこの表に含まれる[4]。クロムの欠乏はグルコースの耐糖能異常の原因となるが、クロムを補因子とする酵素はヒトでは特定されていない[5][6]。また、ヨウ素も必須な微量元素であるが、この元素は補因子よりは甲状腺ホルモンの一部として多く使われる[7]。カルシウムはヒトにとって必須な要素であり、多くの酵素(例えば、一酸化窒素合成酵素、ホスファターゼ、アデニル酸キナーゼ)の活性に必要であるが、カルシウムは他の金属イオンと違いアロステリック効果によって酵素を活性化し、そのときしばしばカルモジュリンと共にそれらの酵素と結合する[8]。したがって、カルシウムは細胞シグナリング分子であり、通常は補因子としては考えない[9]。
加えて、他の有機体では、Azotobacterのような窒素固定を行うバクテリアのニトロゲナーゼのバナジウム[10]、Pyrococcus furiosusのような好熱性古細菌のアルデヒドフェレドキシンオキシドレダクターゼのタングステン[11]、そしてタラシオシラ・ワイスフロッギーのような海洋性珪藻類の炭酸脱水酵素のカドミウム[12][13] などがある。
多くの場合、補因子は無機と有機の両方の要素を含む。その例に、鉄がポルフィリン環に包まれたヘムタンパク質がある。
補因子はホスト酵素への結合の強さおよび位置が異なる。酵素に固く結合したとき、補因子は補欠分子族と呼ばれる。一方、緩く結合した補因子は基質と同じように結びつく。これらは補酵素と表現され、基質として酵素反応に直接参加する有機物質である。ビタミンは補酵素の前駆体(例:ビタミンB1, B2, B6, B12, ナイアシン, 葉酸)または補酵素自体(例:ビタミンC)を供給する。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A3%9C%E5%9B%A0%E5%AD%90
補酵素には、NAD+やFAD、補酵素A(CoA)、ピリドキサールリン酸(PLP)といったビタミンB群由来のものだけでなく、ATPやビタミンKなどさまざまなものが含まれます。補因子とは、酵素の働きを助ける非タンパク質性の単体や化合物のことです。多くの酵素は、それ自体では活性を持っていないため、補因子と結合することによって酵素活性、すなわち触媒活性を発揮することができるようになります。補因子は、大きく「補酵素」と「金属イオン」の2種類に分けられます。補酵素とは、酵素の働きを助ける低分子量の有機化合物のことで、主に、酵素の基質となって反応ごとに酵素の活性部位から離れて別の酵素の働きで元の構造に戻る補助基質(ATPなど)と常に酵素に固く結合していて基質とはならない補欠分子族(ピリドキサールリン酸など)の2つがあります。このように、酵素には、補酵素(補助基質や補欠分子族)などの有機化合物を補因子とするものや、金属イオン(Mg2+、Fe2+など)などの無機物を補因子とするものがあります。アポ酵素とは、それ自体では酵素としての活性をもたない酵素のことで、アポ酵素に補因子(補酵素など)が結合することで初めて活性をもった酵素(これをホロ酵素といいます)として機能することができます。すなわち、アポ酵素(タンパク質のみ)に補因子が結合したものがホロ酵素(タンパク質+補因子)となります。https://lifescience-study.com/2-coenzyme/主な補酵素には、以下のようなものがあります。
【補助基質】
・ATP
・S-アデノシルメチオニン
・UDPグルコース
・NAD+、NADP+
・補酵素A(由来:パントテン酸)
・テトラヒドロ葉酸:(由来:葉酸)
・ユビキノン【補欠分子族】
・FAD、FMN(由来:ビタミンB2)
・チアミン二リン酸(由来:ビタミンB1)
・ピリドキサールリン酸(由来:ビタミンB6)
・ビオチン
・レチナール(由来:ビタミンA)
『カラー図解 アメリカ版 大学生物学の教科書 第1巻 細胞生物学 (ブルーバックス) 』

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